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余はいかにして(RDA調査紀行)

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研修を通じて思ったこと (没報告書1)

没った報告書を備忘録的に残しておこう。

知識が足りなくて間違ってたら、おしえてください。


Resource Description and Access (RDA) は,英米目録規則第二版 (AACR2) の後継にあたる目録を記録するためのガイドラインで,FRBRに基づき設計された。

なぜRDAは必要なのか?:

現在の図書館目録は「コンピュータ上でリンクをたどれる方法で記述されていない」という致命的な欠点を抱えている。情報が記録されていて,人間の目で判別できたとしても,機械的にデータの要素同士をリンクすることも,図書館内外で再利用することも完全にはできない。これを遠因とするウェブでの図書館目録の「孤立」を解消することが,RDAが生まれた動機の一つだ。

ぼくがアメリカへいった理由 (わけ) :

2013年3月末からOCLCの参加館はRDAでの目録登録が可能となった。
この新方針はすべての参加館に即時のRDA対応を求めるものではないし,日本の大学図書館の多くは,NACSIS-CATの環境下で作業しているため,このOCLCの方針がすぐさま日々の目録作業に影響を及ぼすものではない。
それにもかかわらず,国立大学図書館協会の海外派遣事業を通じて「北米図書館でのRDA 実践に関する調査」(2013年8月3-14日) を行ったのは,前述の図書館目録の問題が,国や組織に違いはあっても,すべての図書館関係者がともに当たるべき課題だと考えたからだ。RDAの取り組みは解決への足掛かりとなるだろう。

RDA(こっち)の水はあまい…のか?:

RDAはその一歩を踏み出したばかりであり,効果はまだ十分に発揮されていないというしかない。なぜならRDAはあくまでもコンテンツの記述方針だからだ。これを活かすためにはMARC21に代わるBibliographic Framework (BIBFRAME) など新たな枠組みの完成が急がれる。

なおRDAに取り組む米国図書館員との対話を通じて,今回感じたことは以下の2点だ。

1. 変化はやっぱり楽しみたい
図書館は,Googleなど強大なライバルの出現にその意義を問われている。しかしユーザーの探索行動がより快適になることは,そもそもこれまで図書館が望んできたことであり,歓迎すべき変化だ。
だとしたら、こうした変化を楽しみ,乗りまくり、より良いサービスを模索する姿勢こそが肝心だ。

2. 意見交換は開かれた場で

今後,図書館目録がウェブの世界で十分に活用されるためには,対話の場をより開かれたものにしたほうが良い。
カタロガーだけでなく,サービス,システム,ユーザーなど関心を持つ人すべてが,作成や評価に参加できるような開かれた場をつくり,より多くの意見を取り入れることが必要だ。

研修概要:
 
調査は米国議会図書館,シカゴ大学,コロンビア大学の計24人に対して行った。
各機関での調査内容は1. 研修方法,2. RDA書誌登録の聞取り調査,3.書誌登録の実践である。ここでは3から得た所感をまとめて報告する。

おもな変更点まとめ:

RDAはAACR2のような図書,雑誌の資料別順ではなく,作品,表現形,体現形,個別資料というFRBRの項目順で記録されている。

また,以下のような方針の転換がある。
⒈ 見たままを記述する
資料に表示された通りの大文字小文字の組み合わせで記録する。
2. 略語を用いない
[s.l.]などの略語は使用せず[publisher not identified]などユーザーが読んで理解できる形にする。
3. 3のルールは適用しない
著者が3人以上の場合1人以外を省略する「3のルール」は使用しない。

このほか内容 (Content type),メディア (Media type),キャリア(Carrier type)の種別の記録がGMDに代わり追加されている。

Policy Statement (作業指針) 工事中:

RDAは厳格な規則というより,その基礎となるガイドラインと考えたほうがよそうだ。LC等は別途作業指針 (LC-PCC PS) を作成し現在も更新中だ。

例えば,資料の出版年が「ニ○一三」(漢数字)と書かれているとしよう。
RDA1.8.2は数詞の表現について、作成機関が適切とする字体を選択するよう指示しているが、同時に

情報源にあるとおり

情報源にある+算用数字を補記

の二通りの選択肢を用意している。

確認したところLC はPSでは情報源にあるとおりという選択肢を採用しているが、LC practice で、CJK については算用数字に直しているそうだ。

コロンビアは、最終的な判断が決まるまでは264の非ラテン文字フィールド880に漢数字を登録することにしたようだ。

この数字事件についてはLC とASMEと以下のようなやりとりがある。

"1.8.2は1.8.1にあるエレメントに限っては漢数字は算用数字にするという、作業指針がいるんじゃないかな。CEAL がこの変更にどのような反応するか非常に興味あるところだけれど。もっとも、最終的な判断は関係緒団体と1.8.2の適切な表現についての話し合いがまだまだ必要だね。"


ASME, Mar. 2, 201We think there needs to be a Policy Statement for 1.8.2 to say that the agency decision for numbers expressed with CJK characters should be recorded as Western-style Arabic numerals (similar to AACR2 C.5, but limited to the elements identified in 1.8.1). ... We are quite interested in CEAL's reaction to this proposed change, but note that any final decision would still need considerable discussion with other interested parties ... Possible wording for policy at 1.8.2 (main instruction, not alternative):

CEALのRDA Q&A

と、いっている。

ことほどさように数詞の表現一つとっても,多くの判断が必要となるのだ。

データの統一性を保つには作業指針を定めることが有効だ。一方で,この指針が自由な判断を妨げるという声もある。厳格さの線引きをどこに定めるのか,未来の利用を見据えた検討が必要となるだろう。

前へ:
RDAは目録が開かれた世界へ向かうための一つの回答だ。まずは第一歩を踏み出したことを評価し、わたしたちも変化に向けて前向きに取り組むべきではないだろうか。
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