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余はいかにして(RDA調査紀行)

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目録規則はほんとにRDAみたいなオンラインツールでいいのか。

AACR2亡き後、日本の目録規則の版図はどうなるか。

RDAを使用開始すると出てくる問題(山積)は、
・システム改修コスト
だけじゃない。

・目録規則の維持コスト
・常時閲覧可能な環境の維持体制
・頻繁なアップデートに対応する人的コスト

なんてものが出てくる。
各館で維持するのか?協力体制を作るのか?

なんてことを考えていた。

RDAはご存知のとおりオンラインデータベースのように年単位で契約して、オンラインで使用する。
RDAToolkit

規則を持ち歩かなくてもよくて、スマホがあればどこでも見られる。
米国議会図書館(LC)ではテレワークもあるらしいから、こら便利だろう。(わたしも満喫している)
しかし無料ではない。
消費税がかかったり、価格が上昇したり、に、晒されまくっている状態だ。

ただでさえ、やれ「エルゼビアやめたってよ」など、そこここで聞こえる現状に、こうした経常経費を「目録規則」コストなんかに、どれくらいの図書館がかけて維持できるのか、常日頃から疑問に思ってきた。

そして見ないようにしてきたけど、マイブームは新NCRだ。
これはRDAの日本語版ではなく、NCRのRDA版である。提供形態がオンラインか冊子か、まだオープンになっていないけど、大事なのは、別立てってことだ。

わたしが所属しているのは大学図書館だから、NACSIS-CATが考えやすいんだけど、CATの参加館は日本目録規則と英米目録規則の二つの規則を、和資料と洋資料ごとに使い分けている状況だ。

それがRDAに移行したら、素直に考えれば、各館が新NCR(冊子体?)を購入し、さらに毎年洋資料用にRDAを契約することになる。(仮にNACSIS-CATが続くとしたら)

・新NCRがRDAと別立ての理由
RDA一本を契約すれば日本語版、英語版両方を参照とはならない。
『日本目録規則』改訂の基本方針(2013.8)では、新NCRの意義と目的として「日本の状況を踏まえた現実的な対応をすること」、「書誌階層の考え方の継続、構成部分へのアクセスの徹底、和古書漢籍の十分な扱い、日本語資料の豊富な実例」とあり、RDAはその辺が不足しているから別立てとなる。

「豊富な実例」は正直言って、ドイツ語訳版RDAを見ると(ログインしなくても見られます)、日本の実例をつけちゃったらいいんじゃないの、と思うんだけど、「書誌階層の考え方の継続、構成部分へのアクセスの徹底」あたりがきもなのね。

で、新NCRは別立てなのです。
RDA日本語訳でいいんじゃない?という動きもありかもしれない。(あるかもしれない)
でも別立ての理由は過去の目録の継続性とのあたりで、かならずネックになるはずで、そのへんが話をきいてももやっとしている。こんこんとだれか諭してくれないかしら。(こんこんと勉強ポイントなのよね・・)

そうすると今後の目録規則は、
[年度ごと契約更新あり]1. RDAオンリーで行く(日本語訳なし、洋書も和書もRDA)←まあ、ないだろう
[年度ごと契約更新あり]2. RDA日本語翻訳を作って、ものとしては、洋書も和書もRDAオンリーで行く
[年度ごと契約更新あり・NCR冊子体購入]3. 和書は新NCR、洋書はRDA(原語or日本語)
[NCR冊子体購入]4. 新NCRオンリーで行く

で、考えるのが、一機関で作成する目録の準拠する規則は一種類でなければいけないのか

いまは和資料と洋資料で準拠する規則が違うけど、
今度は洋資料内でも複数の規則のデータが共存していいなら、各国の流用MARCをRDAのかたちのままNACSIS-CATに取り込んで、それにヒットすれば修正なしで所蔵をつける、ヒットしなければ日本国内で作成するデータは洋書・和書関係なく新NCRを使うということにすれば、年間維持費は少なくともかからんわね。
(同一の著者の著作でタイトルの表示の文字種がアルファベットと原綴りなんて、それは、・・・という部分がありそう・・)

・常時閲覧可能な環境の維持体制
昨日はサイトがダウンしちゃって、しばらくしたら「今朝方ダウンしててごめんね、再発しないように気をつけるね」というメッセージが出た。
オンラインだもの、ダウンすることがある。CiNiiが使えなかったときも不便だった。

でも、規則というのは、目録システムよりも頻繁に参照し、手元においておきたいものではないだろうか。
なぜなら、それが作業の根拠になるから。
そのうえRDAは通覧するようにできていない。
判例がリンクに次ぐリンクで表示されていて、暗記するにも・・・というつくり。ダウンしないってことは無理だけど、それが米国の事情に左右されるというのはつらい。(この間のストのときも使えなかった・・・)
国際規則というなら一国に依存する体制ではいけない。

少なくとも、規則はミラーサイトを作って、日本国内での維持体制をとる必要があるのでは。

・頻繁なアップデートに対応する人的コスト
新NCRにしても、RDA日本語版にしても、本家RDAがしょっちゅう改訂をうたっていて、それならしょっちゅう翻訳、という仕事の人的コスト、そして本家がオンラインで即時性をうたっているので、そのスピードについていかなければいけない。鴨。
まあ、これはAACRの時代からそうだったんだろうな、と思うので、更新をあるていどの期間ためて、まとめて更新通知して、と日本側のペースを無理のないものにしていけばいいの鴨。
これまでのところ、RDAの更新が結構大掛かりだったので、これが続くのか、過渡期の異例さなのか、まだ読めないんですけど。

ああ、規則を変えるって大変・・・。

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新NCR方針について(まとめ)

日本目録規則の改訂について、時系列に概要をまとめておこう。

2010.9.17
「日本目録規則の改訂に向けて」

http://www.jla.or.jp/portals/0/html/mokuroku/20100917.pdf

「図書館を意識することなく情報検索行動が行われる状況の下で,利用者の利便性を最優先するために,目録はどのようにあるべきか。」

→資料の多様化への対応,典拠コントロールの拡大,リンク機能の実現が重要となる。

新NCR構想の特徴は、RDAの翻訳を単純に行わない点である。
「日本で現在必要とされる目録規則は,RDA を単に日本語に翻訳し たものではなく,新しい NCR である。」

そぼくな疑問
なぜ、RDAの翻訳ではいけないのか?


答え
FRBRモデルを取りつつ「従来の目録からの継続性を保つため」

→「具体的には,書誌階層の考え方の継続,典拠コントロールを重視しつつも日本の状況を踏まえた現実的な対応,コア・エレメントについての RDA を参考にした規定,十分な和古書漢籍の扱い,日本語資料の豊富な実例の記載などが必要である。」

で、作業としては
1. ICPに準拠して、RDAの長所を取り込む+RDAとの相互関連を明確にする

2. NCRの評価の反映
→「目録の作成と提供に関する調査 報告書」(どうでもよいが何故有料なんだ…1890円。公開してほしい)とインタヴュー、文献など。

3. 最終的には大学図書館と公共図書館が実務に使えるもの

4. 利便性の高い提供方法についても検討するよ

という方針だったようだ。

2010年11月19日
平成22年度書誌調整連絡会議報告

では、上記の方針の簡易な説明がありつつ、典拠データ自体の利用価値や図書館以外のコミュニティでのデータ利用についてもう少しつっこんだ内容あり。

【報告(2): 次期NCRについて:標目の改訂方針】

1)記述対象の多様化への対応
2)典拠コントロールの拡大:標目について全面的に見直すとともに標目を維持するための事務データという扱いから、典拠データ自体に利用価値があるという意識の変更が必要。
3)リンク機能の実現:標目、典拠を通じたリンク機能や、コード化情報、URIが重要になってくる。図書館以外のコミュニティの情報との連携も視野に入れる。

新しい国際標準との整合性、日本の目録の継続性を考慮しつつ、ウェブ環境に適合した規則とすることを目標…目録委員会の中で現在合意が得られている主な改訂事項は次のとおりである。

FRBRモデルに対応し、体現形を書誌レコードの基盤としつつFRBR第1グループと第2グループの関連と位置づけを明確にする。

典拠コントロールに関する規定を重視する。

書誌階層に関する規定を関連全体の中に位置づけ、RDAを参考に、関連指示子について検討する。
(日本語がわからない)

平成24年度書誌調整連絡会議報告(2012年10月12日(金)
”NDLの書誌データの作成及び提供に関する新たな方針の方向性について忌憚のないご意見やご提案などをいただきたい。”とのこと。

国立国会図書館の書誌データ作成・提供の新展開(2013)

・書誌データの近未来
書誌データや資料そのものを深く掘り下げることも重要であるが、「書誌データ自体を使ってどのようなサービスを提供するか」がとても重要である。

・図書館サービスの近未来
書誌データの近未来を考える時、今「目にみえている情報」をきちんと典拠や標目として書くということは非常に大事であるが、それに加えて今後は、人間には何となくわかっている「目にみえない情報」をいかに記述していくかということが重要になってくる。GoogleのPageRankの「ページとページの関係」のような「人と人の関係」、「主題と主題の関係」といった関係の明示が求められてくる。

【報告(2):書誌データの作成及び提供に関する方針について】

http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/h24img03.jpg

Q&A私的メモ

【NDL】DOIについては、ジャパンリンクセンターと協力していきたい。
にゃる。

(2)資料と電子情報の一元的な取り扱い

今後の書誌データ作成及び提供にあたっては新たなメタデータの基本設計が必要となっている。

1. 求められる機能に即した概念モデル(FRBR等)をどうするか

2. データ項目はDC-NDLにするとしても、データ項目値(国際目録原則、RDA関連)の決定

3. メタデータをコンピュータシステムにおいてどのようなエンコーディングスキーマにするのか

4. Linked Open Dataによる提供には、どのような記述とURIが必要なのか。

5. EDItEURのONIX for Books 3.0系についても、「紙の書籍」と「電子の書籍」 の情報を「容れ物」として区別しない方針で行っているので、同意できる。

⇒【NDL】LC(米国議会図書館)もMARC21とONIXのマッピングを行っている。出版情報と図書館の書誌では相違はあると思うが、何らかの連携ができることが望ましい。

※出版情報と図書館の書誌の相違点ってまとめたものがあったっけ

(3)書誌データの作成基準について

RDFやRDAへの準拠は、これまでの経緯や国際的な書誌データ流通に与える影響を考慮すれば、概ね妥当な措置と考える。しかしRDAに対応する書誌データ作成基準が示されなければ評価が難しいため、ロードマップや関連機関との合同テストといったような検討方法を示していただくとよい。

・結局合同テストの気配はない。(知らないだけ?)

⇒【NDL】具体的な実施に向けての計画策定を進める。来年4月からLCの目録規則がRDAに変更されるために当館でもコピーカタロギングを行う洋書から検討を進めて適用細則を作ることになる。

・これは実施されたね

RDAへの対応についてはNDLが主導性を発揮して欲しい。日本図書館協会(JLA)目録委員会でも検討は行っているが進んでいないようなので、NDLから連携協力を行って欲しい。

・実施

RDAに対応した書誌データの作成基準が挙げられている。「国内の動向などに留意しつつ」ともあるので、日本目録規則(NCR)も視野に入っているものと推量するが、少なくとも国内刊行資料に関しては、日本の標準目録規則であるNCRに引き続き対応いただきたい。

・その方向になる模様・・

(4)典拠等の拡充について

「日本目録規則」の改訂においても、典拠コントロールに関する規定を重視することが表明されている。目録の今後の方向性から見ても「典拠の拡充」は高く評価する。

・そもそもNACSIS-CAT導入時、日本の大学図書館で著者名典拠の必須化はなぜ反対を受けたのか?[要調査]

書誌データに関しては、内容細目などの構成レベルの拡充も行って欲しい。

⇒【NDL】構成レベル(=内容細目?)の充実はなかなか難しい。目次情報の活用なども考えて行きたい。

典拠データの一貫性(データ修正・更新)の維持のための仕組みを作るためには、労力・コストがかかる。充分な検討と関係者の協力が必要である。

・最難関

(5)書誌データの開放性について

相互交換性の確保については、スキーマのマッピング、システム的な対応、商業出版社へのデータ提供などの問題を早く解決して欲しい。
APIを充実し、その自由度を高めて欲しい。
国内の図書館情報環境を鑑みて、現在使用しているJAPAN/MARCフォーマットも継続して提供してほしい。
データをどのようなフォーマットで提供されるのか、特にOCLC(Onlne Computer iLibrary Center, Inc.)との関係でどうやってデータが公開されていくかに注目している。LCなどでRDA化されていったとしても(影響があってもNDLにおいて)どのような環境でも使える形で提供して欲しい。

今後種々のデータをオープンにするための指針を早急にまとめていただきたい。

⇒【NDL】「電子行政オープンデータ戦略」(2012年7月4日IT戦略本部)の方向性をふまえながら、検討していきたい。
(6)関係機関との連携について

目録作業コスト
1. 出版社やNDL、NIIが分担してそのままロードできる目録を作って欲しい。
2. ONIXとMARCのマッピングも難しい。
3. 紙の資料の全国的な書誌流通を十分に行って欲しい。
4. 分担してデータを作るための作業のモデルを作ることが連携であると考える。

(7)NDLへの期待、その他

図書館をある種のウェブ上の情報システムと考えた時に、ID(ウェブ上ではURI)が極めて重要であり、責任をもって付与して維持管理することが特に重要である。そのためにシステムのリプレースなどを超えてURIが残っているという体制が必要になる。デジタル世界では本についていたようなIDがない場合もあるので(例:iPadの電子書籍の中のあるページを外部から示す方法がない)、図書館側からIDを付与、保存するためのガイドラインなどの提案をしてもよいのではないか。

・だれがIDを維持するのか。管理するのか。どこかに決着はついたのか?


「『日本目録規則』改訂の方針と進捗状況」(2013年2月21日)

(どうでもいいが日図協のPDFファイル名はなんで全部untitledなのだろう…)

「2010 年 9 月時点と現在で、委員会の NCR 改訂に関する基本的方針に変更はない。」→進捗報告。

改訂の基本方針
2010 でふれなかったのでここでまとめ。(ほぼ抜粋)

(1) 規定範囲
・エレメント(データ要素)の定義に限定する。
・エリアやエレメントの記載順序は、原則として規定しない。
・区切り記号は規則内で規定しない。


・付録
区切り記号を例示
特定の MARC フォーマット による実データのマッピング例示
ダブリン・コアへのマッピング例示などを用語集

2) FRBR モデルへの対応
体現形を書誌レコードの基盤として、これまでの書誌データとの継続性を確保する。

実体の第 2 グループにおける個人、家族、団体の 3 区分を採用する。

3) エレメントの設定
現行の注記は、精査の上、なるべくエレメント化する。

下位書誌レベル(構成書誌レベル※)に関する情報の記録については、著作と著作でない
ものを区別し、別エレメントとして扱う。

※構成書誌単位
固有のタイトルを有しているが形態的に独立していない資料の構成部分が記述対象となる(NACSIS-CATのCWか?)

コア・エレメントについての規定を設ける。

(4) 典拠コントロール
※同じ名前を持つ複数の著者がいても、これらを識別し、一つの統一されたアクセスポイントにまとめたり、別のアクセスポイントとする作業を必要とします。こうした仕組みあるいは作業が典拠コントロールです。もちろん、著者名だけではなく、タイトルや主題に対しても統一されたアクセスポイントを作り、維持する必要があります。--RDA入門 p.24

典拠コントロールを重視する。
✳︎主題の典拠コントロールは、保留とする。

統一タイトルは「著作に対する典拠形アクセス・ポイント(仮称)」(長い!)という名前に。
識別要素を必要に応じて加えることも、形を簡略化することも可能とする。
典拠形アクセス・ポイント(現行 NCR の統一標目)だけでなく、典拠レコードに記録す るエレメントについての規定も検討する。

(5) 関連
RDA における 6 種類の関連と関連指示子リスト※の考え方と詳細な扱いを検討する。

Section 5: Recording Primary Relationships Between Work, Expression, Manifestation, & Item

Section 6: Recording Relationships to Persons, Families, & Corporate Bodies

Section 7: Recording Relationships to Concepts, Objects, Events, & Places

Section 8: Recording Relationships between Works, Expressions, Manifestations, & Items

Section 9: Recording Relationships between Persons, Families, & Corporate Bodies

Section 10: Recording Relationships between Concepts, Objects, Events, & Places

✳︎主題に関わる関連については保留とするため、実際に扱うのは 4 種類の関連となる。

書誌階層については、全体と部分の関連の一種として扱い、従来どおり基礎レベルを設定する。
継続刊行レベルなどの不十分な箇所を改善し、また、論文等を十分扱えるようにするために構成書誌レベルの記述規則の明確化を図る。

(6) その他
その他に、FRAD との整合性、コード化情報・識別子の扱い、個別資料の扱い、アクセ
ス制限の扱い、新規レコード作成要件、所蔵レコードの扱いなどについても検討する。
✳︎FRSADとの整合性・・・(RDA自体が未完なので現時点での新NCRでは関連しないが)

以上の方針だ。

◎全体構成
1 総説
2 資料に関する記録
3 典拠形アクセス・ポイント
4 関連
5 付録

この時点で1と5は未着手、2について具体的な構成案が出ている。

2. 資料に関する記録

総説
資料種別…表現種別・機器種別・キャリア種別
体現形に関する記録
標準番号・入手条件
タイトル・責任表示(基礎レベル)

資料(刊行方式)の特性
出版事項
形態事項
上位レベル(シリーズ)のタイトル・責任表示
下位レベル(構成レベル)のタイトル・責任表示
注記
著作に関する記録 :
注記 表現形に関する記録
版 : 注記
個別資料に関する記録 :
注記

✳︎著作・表現形・個別資料に関する記録の順は未検討
✳︎この時点でRDAの構成とは異なる

3. 典拠形アクセスポイント
各論は(a)資料に対するアクセス・ポイント、(b)行為主体に対するアクセス・ポイント、 (c)主題に対するアクセス・ポイントの 3 種に大別。

(a)資料に対するアクセス・ポイント
著作、表現形、体現形、個別資料に対する各アクセス・ポイント

(b)行為主体に対するアクセス・ポイント
個人、家族、団体

(c)主題に対するアクセス・ポイント
件名標目表と分類表

総則(機能、種類、実体の選定、形の選択、表記、参照)

資料に対するアクセス・ポイント
総則(機能、種類、構成、典拠レコード)
著作に対するアクセス・ポイント
表現形に対するアクセス・ポイント
体現形に対するアクセス・ポイント
個別資料に対するアクセス・ポイント
行為主体に対するアクセス・ポイント
総則(機能、実体の選定、形の選択、表記、参照、典拠レコード)
個人に対するアクセス・ポイント
家族に対するアクセス・ポイント
団体に対するアクセス・ポイント
主題に対するアクセス・ポイント
件名標目表によるアクセス・ポイント
分類表によるアクセス・ポイント

平成25年度書誌調整連絡会議報告(2014年2月28日(金))
、「資料と電子情報のそれぞれの特性に適した書誌データの作成基準を定める」という方向性を掲げた。この方向性に沿って、新NCRを策定する作業をJLA目録委員会と連携して進めている。

【NCR改訂の基本方針】

原井直子(収集書誌部司書監)

2013年9月に公開した「NCR改訂の基本方針」を基に、改訂の方向性を確認する。

・従来の目録規則は書誌データの入力(記録)と出力(表示)の両方を扱っていたが、扱う範囲を入力(記録)に限定する。・別カテゴリーのデータは別エレメントとして扱う→データの機械可読性を高め、データを自由に活用しやすくする。

・RDAと同様に、NCRもFRBRモデルに対応していく。

・日本では典拠データを作成してこなかった「統一タイトル」は、FRBRでは「著作に対する典拠形アクセス・ポイント」という不可欠な要素に当たる。そのため、何らかの対処を迫られている。

・その他、新しい点は、「家族」の規定、典拠レコード内のエレメントを対象とすること、「関連」を重視すること

・用語集の全面的改訂を予定している。①FRBRやRDAの用語に対応すること、②MLA連携を視野に入れて図書館の目録作成者でなくても容易に理解できるようにすることを目指している。

RDAはいかにして日本にもたらされるか 1

ここにひっそりこっそりと書くメモは昨年書いたRDA調査紀行のいわば続編である。

相変わらず、知識が秀でたわけでも、人より努力家であるわけでもなく、また、学ぶほどに自覚するように図書館情報学出身者でもなく、業界の常識とは辺境にある多くの弱みを持つ、一図書館員のものである。

とんちんかんなことを書くことについて恐れはあるが、しかし理解の過程を公に示すのは優等生ではない、凡人の理解のプロセスは、それはそれで役立つだろうと思うからであり、同時に、誤りを正される機会を少しでも多く持ちたいと思うからだ。

わかっているから書く、ではなくわかっていないからこそ公にしているこのたたき台がなんらかの役に立つことを願って、筆を進めたい。

まあ、だれの役に立たなくてもわたしのためにはなにか書いておく必要はあるだろう。

さて、昨年はアメリカにおけるRDA導入時についてインタヴュー調査をした(が、その背景に対する知識は非常に浅薄であったと思う)。

その後、日本図書館協会の目録委員会と国会図書館は共同で日本目録規則のRDAに向けた改訂を発表し、日本にRDAがもたらされることは、ほぼ秒読み段階だ。

とある事情により、これからしばらく、日本のRDA化した目録における、その主題(SH Subject Headings)の持ち方について調べていきたいと思う。


まずは日本ではどのような議論がなされてきたのだろう。(非常に粗いと思う)

軽くNDLの書誌調整連絡会議の議事録を見ることから始めたい。

H16 5回 件名標目の現状と将来
H21 10回 BSHとNDLSHの連携
H22 11回 議論の中に標目の改定方針
H24〜 RDA 、日本の目録規則と書誌情報の将来像
と議論があることがわかる。

H21の内容をレビューする。
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/h21_conference_report.html#02

ポイントは
1. NDLSHの改善, 2. NDLSHとBSHの連携(と、いっても議事録ではNDLSHへのBSHの包含に読める), 3. NDLSHのSKOS化だ。

本文ではこう書いてある。

NDLSH自体の改善:作成ルールの明確化と改善
NDLSH運用方法の見直し:マニュアルの改訂と公開
NDLSH提供形式・方法の改善:SKOS化の検討
件名標目表の共通化・標準化:BSHとの連携・利用機関との連携

すこーす化というのは

「SKOSは、シソーラス、分類表、件名標目表やタクソノミーなどの知識組織化体系のための一般的なデータ・モデルです。SKOSを用いて、知識組織化体系を機械可読データとして表現できます。次に、これをコンピュータ・アプリケーション間で交換し、ウェブ上で機械可読形式で公開できます。」

http://www.asahi-net.or.jp/~AX2S-KMTN/internet/skos/REC-skos-reference-20090818.html

その連絡会でもスコース化については
「図書館は長年にわたってこうしたボキャブラリを蓄積してきており、信頼性も高いが、システムが閉じているために利用されにくい状況にある。SKOS形式で記述することで、より広範囲のコミュニティで活用されるようになるだろう。」
などと言っているので、セマンティックウェブの世界へ打って出る図書館といった流れのロジックだ。

和書の多くに使用される二つのSHをさくっと一つにまとめて、VIAF的なもののSH版の動きが出たら提供できるような準備を進めるのかなぁというのが、5年前の議事録での感想である。
追記:
正確にはVIAFはcurrently focused on personal and corporate names.なので、thing や place, coceptについてまとめる動きがあるときまでにBSHとNDLSHにおける統合を完了し提供するということか?


Web NDL Authorities
Web NDL Authoritiesは、平成22年6月に公開した「Web版国立国会図書館件名標目表(Web NDLSH)」の提供範囲に名称典拠(個人名、家族名、団体名、地名および統一タイトル)を加え、機能を拡張したものです。
http://id.ndl.go.jp/auth/ndla

質疑応答よりふむふむ(抜き書き)

1. 統制語彙はwikipedia, 自然語はGoogleの例示が一般的にわかりやすい。

2. 回答: LCSHはSKOS化しているので、NDLSHがSKOS化すれば一層の連携が可能となる。また、LCとRAMEAU(フランス?)がリンクしているので、NDLSHがLCとリンクすれば、多言語シソーラスの可能性もでてくる。(NDL)

(6)件名標目のウェブ上での流通について
質問: NDLSHを公開する時はURI(Uniform Resource Identifier:統一資源識別子)があると共有が進むと思うが、個々の件名標目にURIを付与する予定はあるか?
回答: NDLSHのSKOS化の中でURIについても検討している。できるだけ早く実現していきたい。(NDL)
意見: ウェブ上でのメタデータの流通として考えた場合、信頼できるURIが必要である。NDLを中心とした図書館コミュニティが、今持っているものの上に信頼できるURIを作り上げていくことを期待している。

研修を通じて思ったこと (没報告書1)

没った報告書を備忘録的に残しておこう。

知識が足りなくて間違ってたら、おしえてください。


Resource Description and Access (RDA) は,英米目録規則第二版 (AACR2) の後継にあたる目録を記録するためのガイドラインで,FRBRに基づき設計された。

なぜRDAは必要なのか?:

現在の図書館目録は「コンピュータ上でリンクをたどれる方法で記述されていない」という致命的な欠点を抱えている。情報が記録されていて,人間の目で判別できたとしても,機械的にデータの要素同士をリンクすることも,図書館内外で再利用することも完全にはできない。これを遠因とするウェブでの図書館目録の「孤立」を解消することが,RDAが生まれた動機の一つだ。

ぼくがアメリカへいった理由 (わけ) :

2013年3月末からOCLCの参加館はRDAでの目録登録が可能となった。
この新方針はすべての参加館に即時のRDA対応を求めるものではないし,日本の大学図書館の多くは,NACSIS-CATの環境下で作業しているため,このOCLCの方針がすぐさま日々の目録作業に影響を及ぼすものではない。
それにもかかわらず,国立大学図書館協会の海外派遣事業を通じて「北米図書館でのRDA 実践に関する調査」(2013年8月3-14日) を行ったのは,前述の図書館目録の問題が,国や組織に違いはあっても,すべての図書館関係者がともに当たるべき課題だと考えたからだ。RDAの取り組みは解決への足掛かりとなるだろう。

RDA(こっち)の水はあまい…のか?:

RDAはその一歩を踏み出したばかりであり,効果はまだ十分に発揮されていないというしかない。なぜならRDAはあくまでもコンテンツの記述方針だからだ。これを活かすためにはMARC21に代わるBibliographic Framework (BIBFRAME) など新たな枠組みの完成が急がれる。

なおRDAに取り組む米国図書館員との対話を通じて,今回感じたことは以下の2点だ。

1. 変化はやっぱり楽しみたい
図書館は,Googleなど強大なライバルの出現にその意義を問われている。しかしユーザーの探索行動がより快適になることは,そもそもこれまで図書館が望んできたことであり,歓迎すべき変化だ。
だとしたら、こうした変化を楽しみ,乗りまくり、より良いサービスを模索する姿勢こそが肝心だ。

2. 意見交換は開かれた場で

今後,図書館目録がウェブの世界で十分に活用されるためには,対話の場をより開かれたものにしたほうが良い。
カタロガーだけでなく,サービス,システム,ユーザーなど関心を持つ人すべてが,作成や評価に参加できるような開かれた場をつくり,より多くの意見を取り入れることが必要だ。

研修概要:
 
調査は米国議会図書館,シカゴ大学,コロンビア大学の計24人に対して行った。
各機関での調査内容は1. 研修方法,2. RDA書誌登録の聞取り調査,3.書誌登録の実践である。ここでは3から得た所感をまとめて報告する。

おもな変更点まとめ:

RDAはAACR2のような図書,雑誌の資料別順ではなく,作品,表現形,体現形,個別資料というFRBRの項目順で記録されている。

また,以下のような方針の転換がある。
⒈ 見たままを記述する
資料に表示された通りの大文字小文字の組み合わせで記録する。
2. 略語を用いない
[s.l.]などの略語は使用せず[publisher not identified]などユーザーが読んで理解できる形にする。
3. 3のルールは適用しない
著者が3人以上の場合1人以外を省略する「3のルール」は使用しない。

このほか内容 (Content type),メディア (Media type),キャリア(Carrier type)の種別の記録がGMDに代わり追加されている。

Policy Statement (作業指針) 工事中:

RDAは厳格な規則というより,その基礎となるガイドラインと考えたほうがよそうだ。LC等は別途作業指針 (LC-PCC PS) を作成し現在も更新中だ。

例えば,資料の出版年が「ニ○一三」(漢数字)と書かれているとしよう。
RDA1.8.2は数詞の表現について、作成機関が適切とする字体を選択するよう指示しているが、同時に

情報源にあるとおり

情報源にある+算用数字を補記

の二通りの選択肢を用意している。

確認したところLC はPSでは情報源にあるとおりという選択肢を採用しているが、LC practice で、CJK については算用数字に直しているそうだ。

コロンビアは、最終的な判断が決まるまでは264の非ラテン文字フィールド880に漢数字を登録することにしたようだ。

この数字事件についてはLC とASMEと以下のようなやりとりがある。

"1.8.2は1.8.1にあるエレメントに限っては漢数字は算用数字にするという、作業指針がいるんじゃないかな。CEAL がこの変更にどのような反応するか非常に興味あるところだけれど。もっとも、最終的な判断は関係緒団体と1.8.2の適切な表現についての話し合いがまだまだ必要だね。"


ASME, Mar. 2, 201We think there needs to be a Policy Statement for 1.8.2 to say that the agency decision for numbers expressed with CJK characters should be recorded as Western-style Arabic numerals (similar to AACR2 C.5, but limited to the elements identified in 1.8.1). ... We are quite interested in CEAL's reaction to this proposed change, but note that any final decision would still need considerable discussion with other interested parties ... Possible wording for policy at 1.8.2 (main instruction, not alternative):

CEALのRDA Q&A

と、いっている。

ことほどさように数詞の表現一つとっても,多くの判断が必要となるのだ。

データの統一性を保つには作業指針を定めることが有効だ。一方で,この指針が自由な判断を妨げるという声もある。厳格さの線引きをどこに定めるのか,未来の利用を見据えた検討が必要となるだろう。

前へ:
RDAは目録が開かれた世界へ向かうための一つの回答だ。まずは第一歩を踏み出したことを評価し、わたしたちも変化に向けて前向きに取り組むべきではないだろうか。

RDAワークショップ byBarbara Tillett 2

二日間のワークショップが終わった。
世界的には三日間のところ、日本では切り詰めに切り詰めて、二日間。

本来#10-16=special topic of materials(だったかな?)にあたるところは省略されたが、FRBRから始まり、manifestations itemsの属性の記述、work expressionの属性の記述、family etcの属性、relationshipの記述方法、に加えRDAツールキットのインストラクションまで

盛りだくさん。

それが、何がすごいかというと、それを全部Tillett博士が読み上げてくれるのだ。
そしてそのパワポの資料には日本語訳が付いていて、
配布資料にも日本語訳が付いていて、
質問には愛知淑徳大学の鹿島先生が通訳をしてくれて。

これが、ほんとに、資料費代3000円だけでいいの!

ちなみに、かばんまでかわいかった。
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お水も2本も付けてくれた。

つまりは、それだけTillett氏がRDAを広めたいと心から願い、みんながそれをサポートしたい気持ちでいっぱいなのではないか。そうでなければ、とてもあんなにできないよ!
(準備期間1か月?で全翻訳とか)

なお、今回のWSで使ったテキストはTillett氏が作って世界中もって歩いているだけあって、包括的かつほぼ思想が理解できる内容で、今回は研修参加者だけ購入可なのですが、

手直して樹村房から11月に発売だそうです。
たぶん、とても良いのではないかしら。
パワーポイントが元なので、専門書のように硬くないし、お勧めします。

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研修について。
初日9/5、東京は生憎の大雨だったのですね。
電車に閉じ込められて遅刻した人もいます。

Tillett氏も濡れてしまい、それでも1日目は"熱がないからアレルギーよ"といっていたけど、案の定翌日は声が掠れてしまって、その体調で二日間×七時間!14時間話し続けた。
頭が下がる。というか、熱意におされた。

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FRBR→RDAに入る。

簡単にFRBRクイズもあった。
色々と教材をチェックしていたときに見ていた教材を多く使って説明していた。
Library of Congress (LC) RDA Training Materials

例えば次はそれぞれFRBRのWork Expression Manifestation Itemのどのレベルでしょう?

A. Digitized version of the printed Oxford University Press text published in 2008?
B. Leatherbound autographed copy in Rare Books Collection?
C. French translation?
D. London Symphony Orchestra 2005 performance?
E. Shakespeare’s Hamlet?

懐かしいことをやって、白文字で書きますので答えは↓に(カーソルでなぞって反転させてくださいね)

A:Manifestation
B:item
C:expression
D:expression
E:work


間違ってたら・・・すみません。

※ちなみにLCの教材はクレジットさえ入れれば編集も再配布も再利用もOK(と、Judith Cannanが言っていたし、Tillett氏の教材にも書いてある)
もし勉強するならすべての近道は、翻訳をすること、じゃないかな。

※ただし、RDAを読み込んでいる立場からすると割とLCバイアスがかかっている場合もあるそうです。そりゃそうか、LC向けだもんね

RDAについて常に繰り返しおっしゃっていたのはただ


1. Take what you see.
見たまま記述=大文字小文字使用法

2. No abbreviation!
省略しない
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3. RDA is better to use online version.
とにかく、紙バージョンはお勧めしないわ!


4. あるものをFRBRのメガネで見直すだけなの

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途中RDAでどのようにBibliographic recordやAuthority recordをどうやって記述するかにはめげそうになりましたが(そこ大事なんちゃうんかい・・・だって、だってRDAの読み込みが・・・メソメソ)

でも、疑問に思ったら"Tillett氏に直接聞ける"!!

それがこのWSのすごいところです。

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目録を取るつもりでRDA的に図書のBibliographic recordを記録する練習問題も1問できたし。
(ちなみに、詰まりまくりました、まわりはきっとすらすらできていたことでしょう)

そして最後の「なぜ、RDAは必要なのか」
これは、その発売されるテキストを読むのが一番いいでしょうね。
そしてかいつまんで言えば、これまで色々な論文で引用されていること以上にはならないのです。
生の声が一番だと思う。

ただ、とにかく
使いまわして、使いまわされるデータを作って、脱図書館ガラパゴス!

っていいのかな、だめなのかな。

最後にこのWSのQ&Aをメモがある範囲でシェアしておきます。

Q? 収録論文と収録誌の関係
A 各々がwork単位で確立、それをシステムで一緒に表示するなど引き出し方を処理する

Q degital にtxt とhtml(例えば)があったらそれはmanifestationかexpressionか
A manifestation

Q 日本語の書誌はLCでは出版年を「見たまま書く」の原則で元が漢数字だったら二○一三みたいに書いてるけどナチュラルじゃない、見やすくない。言語によってこの法則を変える可能性はないの?
A ない

Q 動画についてPCでしか再生できないファイルは視聴覚資料になるか
A 必要があれば複数記録できる(どういったことだったか・・・)

Q relationの指示語をコードにしなかったのはなぜ?(そしたら表示語だけ各国語に翻訳すればいいから楽なのに)
A コードはあるし、いずれそれぞれの要素はURIでリンクするイメージ

Q 会議名の典拠は会議録がモノグラフのときは標目に開催頻度を付けて、シリアルでとるときは開催頻度を記録しない、とするとその典拠は別個のものになる?
A (別個なんだろうなあ)

Q (まだ未作成の)Subject Headingは将来的にWorkレベルになる?
A なる。11月JSCミーティングで何か決まるかも

Q bibframeについて個人的な見解
A 時間がかかりすぎる。FRBRモデルでない形で作られようとしている。あまり賛成できない。

Q RDA理解にお勧めの図書館は?
A フランス国立国会図書館Bibliotheque nationale de France BNF)、スウェーデン国立国会図書館。
※BNFはColumbia UniversityのKate Hartcourtもこれが理想よ!と、夢見るように言っていた。(Bento styleもここで聞いた)

まだほかにもあるかもしれないけど、まずは、ここまで。

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